東京から車で90分、千葉県富津市、電線に遮られない美しい東京湾の眺めを文字通り独り占めできる一棟貸しのヴィラ「富津オフグリットハウス」が3月にオープンする
富津オフグリットハウスは、オーナーであり民泊支援事業を立ち上げた浅井夢さんと、夫でプロダクトデザイナーの浅井治彦さんによる心地よい「持続可能なくらし」のデザインを広めるための共同プロジェクトだ。一体何のために、たった9坪の家を二人で建てたのだろうか。
9坪すなわち約30㎡、4畳半が4つ分といえば少し想像しやすいかもしれない。その建坪の2階建のコンパクトな空間にキッチン、ダイニング、リビング、寝室、バス・洗面・トイレ、がすべて収まっているが、不思議なことに、全く狭さを感じない。 富津オフグリットハウスは、昭和の名建築家・増沢恂氏による「吹抜けのある最小限住居」(1952年)が原型となっている。増沢氏のこの原型を基に、さまざまな建築家が独自の狭小ハウスを実現させた、いわば狭小ハウスの原点である。吹き抜けをつくることで、天井が高くなり、息苦しさを感じさせず、一体感と開放感が両立する。
極小住宅の名作「吹き抜けのある最小限住居」 増沢洵氏の自邸 1952年 画像引用先:住まいとインテリアプランhttps://sumaiinteriorhosue.seesaa.net/article/435314423.html
増沢洵の自邸今回は、「最小限住宅」の代表作である、増沢洵の自邸「9坪ハウス」(下の写真)を紹介します。sumaiinteriorhosue.seesaa.net
夢さんにとって、富津オフグリットハウスは2軒目の家。東京生まれ東京育ちだという彼女は、元々は大手日系企業で事業開発責任を担うなど大活躍のキャリアウーマン。その後仕事の拠点を熊本へ移したとき、その土地の美しさに惚れ込み、愛車のバイク・ハーレーダビットソンで阿蘇山の麓を走りたいと、阿蘇の入り口に家を建てることを決意したという。その時に建てた家も、同じく9坪ハウスを原型にしており、のちに民泊運営を始めるきっかけとなった。
夢さん:「熊本の大震災をきっかけに家財を失って、被災者の方々を泊めることがあったのですが、その時に、自宅を他人に貸すことに抵抗がないことに気づいたんです。その後仕事の拠点を東京に戻したことをきっかけに、本格的に民泊を始めました。民泊を運営するととてもいいことだらけでして、まずは自分が多拠点生活をできるようになります。そして、自分が不在の間に、だれかが家にいてくれるから、メンテナンスがされていく。さらには、民泊の収入が、家の維持費やそこまでの交通費など経済的な負担を軽減してくれます。家を複数軒も持つなんて真似できない!と思われる方もいらっしゃいますが、1軒ずつはじめて、民泊をしながらであれば、実は気軽に実現できたりするんですよ。」
現在は自ら民泊を運営することでぶつかった障壁を乗り越えた経験を活かし、民泊運営者を支援する事業を起業された夢さん。家主不在型の民泊でも、ホスト自らが運営できるようなサービスを開拓した。 夢さん「多拠点に住むって、すごくおすすめです。美しい自然と触れ合い、心身ともにリフレッシュできます。これからの時代はリモートワークだったり、働き方にも多様性のある時代で、より多くの人に、民泊をしながら多拠点で暮らすライフスタイルを、この富津オフグリットハウスを通じて感じていただきたいと思っています。」
夫の治彦さんは(株)GKインダストリアルデザイン研究所でオートバイのデザイン等を担当した後、無印良品をはじめ、多くのエコデザインを手掛けたプロダクトデザイナー。例えばヘッドだけを付け替えて、同じ持ち手を使いまわせるような掃除用具間の互換性を実現する、エコデザインシステムを開発し、捨てるものや無駄に買うものを減らすことを実現したという。 ”環境に良い製品”というテーマで、さまざまな製品を世に送り出してきた治彦さんだが、1つのプロダクトでは生活を変えることは難しいと気づいたそう。住環境を変えるのが、暮らしをかえるための一番ダイレクトな道だということで、エコデザイン研究の集大成として、この富津オググリットハウスのしくみをデザインすることに至った。
持続可能なくらしを実現するために、この建物の電気は系統電力に線がつながっていない。完全な電力オフグリッドの家である。太陽光発電による快適な省エネライフが体験できるように、家の省エネ性能を上げることを重視し、太陽光電などのエコ設備をつけるだけでなく、断熱材で外壁全体を厚くし、高気密にしたドイツ型パッシブハウス並みの性能を持つように設計されている。温暖化における内外気温の差がますます大きくなる季節において、小型エアコン1台で全居室を快適にコントロール出来る仕組みは、長期的に見ればエネルギーコストと健康維持のために良い。省エネハウス、太陽光発電、そして高性能蓄電器で自ら生み出した電力のみで家電はもちろん、高出力の電気サウナまで余裕で賄えている状況だ。 治彦さん:「まず、エコハウスは作ると決めていましたが、プロダクトデザイナーとしてデザインに妥協はしたくなかったんです。元々美しい景観を台無しにする電線がイヤだという気持ちが原点なんですよね。太陽光発電であろうとも景観被害をいかに少なくするか。一般的な架台式の太陽光パネルが増えたら、パッチワークみたいになってしまいますが、Roof-1だったらきれいに街並みに統一感がでる。京都など古都の瓦屋根の街並みが美しいのと同じだと思うんですよね。」
治彦さん:「無印良品の時代に、よく言われたことですが、エコであることが理由で売れるわけではないんです。すなわち、合理的なデザインのもと、快適に製品が使えるかどうか、その結果それがエコでもあったというのが良いのですよ。また、未来の持続可能なくらしを考える時には、経済性・安心安全だけではなく、美しさに対する価値も考えるべきだと思うんですよ。心地よいの感覚の裏には、美しさがあると思うんです。みんながマネしたくなる未来って、その気持ちよさ、快適であるというところが肝だと思うんです。」
治彦さん:「Roof-1が良い点は、その見た目だけではなく、保証です。僕は今後富津オフグリットハウスをエコハウスのプロトタイプとするためにも、塩害地域でも誰もが安心安全に同じことができるように、保証付きの製品を使うと決めていました。通常保証は20年、今回のような海辺の重塩害地域での使用も10年の保証がつくのは大きな決め手でした。Roof-1は屋根の端から端までを太陽光セル入りにすることができ、限られたスペースで発電量を最大限上げることができるのも良いです。今回8kwh載せることができました。」
夢さん:「小さな規模で、取り入れやすいエコハウスのモデルハウスとして、 いろんな人にいいなと思って、ぜひこのコンセプトを利用して、持続可能なくらしをみなさんの声、家で広めていって欲しいんです。そのように9坪エコハウスが広がることで、日本の未来の景色がよくなっていくと信じています。きっかけはサウナでも、絶景でもいいんです。ここに実際に来てもらって、体験してもらうことで、『あれ?気持ちがいいな?なんでだっけ?』って考えてみて欲しいんです。そこで電線が見えない景色が見えることができる理由であったり、心動かす景色の中で生きていくことができる多拠点生活の選択肢があること自体であったり、そんなことに気づいてもらえたら嬉しいと思っています。」
住所:千葉県富津市八幡56-1 予約:https://www.airbnb.jp/rooms/1295798803097350112?source_impression_id=p3_1740232633_P3kFIUeKlymL1qBb
住宅 · Futtsu · ★新着 · 寝室1 · バスルーム1海とサウナのエコハウス/完全独立電源【富津オフグリッドハウス】www.airbnb.jp
Roof-1について Roof-1は金属屋根に特殊加工した太陽光セルを組み込むことで、普通の屋根にしか見えないデザインを実現した屋根一体型太陽光パネルです。一般的な住居用太陽光パネルは屋根、架台、太陽光パネルを設置するのに比較し、屋根だけの設置となるため1回の施工で完了する他、高いメンテナンス性も実現しています。塩害地域も20年間無償製品保証。詳細は弊社ホームページhttps://www.monochrome.so/roof)をご覧ください。 お問い合わせはこちら⇩
Roof–1 相談フォーム | Monochrome新築もリフォームも、Roof–1を導入検討しているお客様は、まず相談から。www.monochrome.so
モノクロームについて モノクロームは、創業者の梅田優祐が自宅を建設する際に、理想の住宅用太陽光パネルと、つくられた自然エネルギーを効果的に制御するためのソフトウェア(HEMS)が存在しない問題に直面したことをきっかけに、その問題を解決するため、2021年7月に設立された会社です。 Instagram:@monochrome.so X(Twitter):@monochrome.so