モノクロームの屋根一体型太陽光パネル、Roof-1を設置している施設や住居に訪問し、太陽光発電を支える人々や彼らの営みにクローズアップ。 本日は群馬県みなかみにリノベーションをした古民家に移住をし、UXデザイナーとして活躍されている久喜さん。沖縄から保護した愛犬と共に、東京都とみなかみと2拠点生活をしている彼女にお話しを伺った。
日本百名山の谷川岳をはじめとした山々を背景に、古民家の街並みが美しいこのエリア。2月中旬、私たちは大雪警報の中、美しい雪景色をカメラに収めにお施主様の住む町へと向かった。猛吹雪の中、除雪車があまり通らない峠道に迷い込み、落石注意、雪崩注意などのサインを横切る。半分雪に埋もれた公衆電話ボックスが、非常時の唯一のライフラインになりえることを思い出させる。自然への畏敬を感じながらも、未知への追憶とも言えようか、日本の原風景を見た気がした。みなかみは美しかった。
暮らしの中にある自然
3歳からスキーを始め、大学時代も雪山で働いたのち、いつかまた雪山のそばで暮らしながら働きたいという思いが強かったという久喜さん。コロナ禍でリモートワークが可能になったタイミングで、東京から近く、1時間圏内に10以上のスキー場があるみなかみへの移住を決めた。
「移住してから、仕事の後にジムに行く感覚でスキーに行けるようになりました。家から40分でスキーに行けるって、ものすごく近いと思います。実際、東京でも電車で片道40分で会社に行って、その帰りにジムに行くってよくあるじゃないですか。その感覚で、例えば週に3回ジムに通うことが日常になっている方の話を聞いても驚かないのと同じくらい、日常の中にスキーがある暮らしがある。帰りにそのままスーパーに寄ってお買い物をしたりできますし。」
これからも雪のある世界を残すための、家づくり 移住先では、新築ではなく古民家をリノベーションして住むことを決めていたという。それはスノースポーツをこれからも続けるためにも、環境に配慮した家づくりは、合理的な選択肢だったという。
「今年は雪が多いので例外ですが、雪が昔より降らなくなったと毎年毎年言われています。一方で日本は資源が少ない国だからこそ、電気などのエネルギーをどう確保するかという課題もあって、どの発電方法も環境への影響は多かれ少なかれありますよね。エネルギーを完全に使わない生活は難しいですが、選択肢があるなら無駄なエネルギーはできるだけ使わずに、効率よく生活できるスタイルを選びたいと思っています。」
例えば、建具は窓枠以外、全て元々ここに備わっていたものをそのまま再利用して、それでも使い切れなかった建具は古道具屋さんに回収してもらい、できるだけ破棄しないようにしたという。
「空き家問題っていわれるくらい、民家がたくさん放置されていますよね。要は活用できる材がたくさんある。それを資材として活用することは、環境負荷の低減にもつながると思うんです。」
リフォームの内装は、古民家らしい雰囲気を生かして仕上げている。古民家好きなら見逃せないのが、碍子(がいし)とよばれる独特の配線方法。すべてこの絶縁に使われる白い陶器をあつめる熱狂的なファンもいるほどだ。
「 新築なら、できるだけ配線を見せないという選択肢もありますが、古民家は真壁のため、壁の中に配線するのは難しいので、すべて配線は見せるつくりになっています。新規で配線をやり直すのは大変なので、この家の電球はWiFiで制御できるスマート電球なんですよ。配線しなくてもリモコンで全部制御できています。あと、インターホンも配線がなくても使えるスマートホームシステムを使用しています。こう見えてスマートホームなんですよ(笑)。」
大雪でも、発電する屋根一体型太陽光パネル
「屋根はちょうど葺き替えないといけないタイミングだったのですが、どうせ葺き替えるなら屋根一体型太陽光パネルにしようと思いました。一般的な架台式の太陽光をつける場合、見た目が気になったという理由もありますが、屋根と太陽光が別々の場合、どちらか先に何か不具合が起きた時に、対応が複雑だなと思ったんです。一体型なら、メンテナンスが容易だと思います。あと、瓦屋根から金属屋根になったので、屋根が軽くなるという利点もありました。」
雪が多く降る地域では、太陽光発電が機能するのか気になるところだ。取材当日は大雪警報の中、かなりの積雪量で、車も立ち往生するほど。しかしながら、屋根一体型太陽光パネルRoof–1を採用しているこの家だけ、屋根からの落雪が早かった。そのため、日差しがあればすぐに発電が再開するというわけだ。この日も10時ごろにはアプリを見るとしっかりと発電していることを確認できた。
温泉という自然の恩恵に預かる
徒歩圏内にある温泉街、側溝には天然の温泉が流れ、湯気を上げている。近くには、古い街並みが残るエリアがあり、そこが彼女と愛犬クルチーちゃんのお散歩コースだ。雪かきをしながら、地元の方々が久喜さんに話しかける。犬好きの方とはすぐにお友達になったそうだ。
温泉を利用すれば環境負荷が少ないと言われ、すぐにはピンと来ていなかったが、彼女の言葉にハッとさせられる。 「地面から熱いお湯が何もしなくても湧いてくるのであれば、家でお風呂を沸かすエネルギーを使わずに、その温泉に入った方が効率的ですよね。」
1200年以上前から自然に湧き続けている天然の熱源がすぐそこにある環境。地元の人々を始め、お風呂には温泉に入ることが文化として根付いている。まさにそれこそが文字通り持続可能な暮らしだ。長らく湯治場として栄え続けてきたこの土地ならではの自然の恩恵がそこにある。そのため彼女の自宅にはバスタブがなく、シンプルなシャワーのみが設置されている。
また、暖房はエアコンと併用してイタリアのピアツェッタ社製のペレットストーブを利用している。ペレットストーブは家全体を温めるセントラルヒーティングのような役割も果たしている。 エアコンとペレットストーブを動かすには電気が必要だが、電力源は太陽光パネルによる自家発電がメイン。かつ間伐材を原料とした木質燃料は、化石燃料よりもCO2の排出という観点ではより良い選択だ。
目の前に広がる資源を有効に活用する。それでも新たに使わないといけない資源は環境にやさしいものを選ぶ。家づくりにおいても無駄を出さず、ライフスタイルも自然の恩恵を楽しむ。そんなシンプルで豊かなライフスタイルは、動物や自然を愛し、大切にする彼女の生き方そのものを映し出しているのだろう。
Roof-1は金属屋根に特殊加工した太陽光セルを組み込むことで、普通の屋根にしか見えないデザインを実現した屋根一体型太陽光パネルです。一般的な住居用太陽光パネルは屋根、架台、太陽光パネルを設置するのに比較し、屋根だけの設置となるため1回の施工で完了する他、高いメンテナンス性も実現しています。塩害地域も20年間無償製品保証。詳細は弊社ホームページhttps://www.monochrome.so/roof)をご覧ください。お問い合わせはこちら
モノクロームは、創業者の梅田優祐が自宅を建設する際に、理想の住宅用太陽光パネルと、つくられた自然エネルギーを効果的に制御するためのソフトウェア(HEMS)が存在しない問題に直面したことをきっかけに、その問題を解決するため、2021年7月に設立された会社です。 Instagram:@monochrome.so X(Twitter):@monochrome.so